小倉百人一首 | 定家秀歌撰
第1首目
いにしへの奈良の都の八重桜 けふ九重に…
いにしへの奈良の都の八重桜 けふ九重に匂ひぬるかな
昔の奈良の都の八重桜が(献上されてきて)、今日、京都の宮中に一層美しく咲きほこっていることですよ。
第2首目
夜をこめて鳥のそら音ははかるとも よに…
夜をこめて鳥のそら音ははかるとも よに逢坂の関は許さじ
孟嘗君は、深夜に鶏の鳴きまねを食客にさせて、函谷関の関守をだまして通り抜けましたが、逢坂の関は決して許さないでしょう。 ― あなた(藤原行成)は、翌日に宮中の物忌があるから鶏の声にせきたてられて帰ったと弁解しますが、そんな嘘は私には通用しませんよ。あなたは深夜に帰ったのであって、朝まで逢瀬を楽しんだのではないのですから、いい加減なことはおっしゃらないでください。
第3首目
今はただ思ひ絶えなむとばかりを 人づて…
今はただ思ひ絶えなむとばかりを 人づてならでいふよしもがな
今はただ(恋愛を禁じられて監視されているいる)あなた〔前斎宮当子内親王〕への思いをあきらめてしまおうということだけを、人づてではなく直接お目にかかってお話しする方法があればなあ。
第4首目
朝ぼらけ宇治の川霧たえだえに あらはれ…
朝ぼらけ宇治の川霧たえだえに あらはれわたる瀬々の網代木
朝がほのぼのと明けるころ、宇治川の川面に立ちこめていた川霧がところどころ晴れていって、その合間から現れてきたあちこちの瀬に打ち込まれた網代木よ。
第5首目
恨みわび干さぬ袖だにあるものを 恋に朽…
恨みわび干さぬ袖だにあるものを 恋に朽ちなむ名こそ惜しけれ
恨みに恨みぬいて、ついには恨む気力すら失って、涙に濡れた袖が乾く暇もありません。そんな涙で朽ちそうな袖さえ惜しいのに、恋の浮名で朽ちてしまうであろう私の評判がなおさら惜しいのです。
第6首目
もろともにあはれと思え山桜 花よりほか…
もろともにあはれと思え山桜 花よりほかに知る人もなし
山桜よ、私がお前を見て趣深く思うように、お前も私のことを愛しいと思ってくれ。私にはお前以外に知人はいないのだから。
第7首目
春の夜の夢ばかりなる手枕に かひなく立…
春の夜の夢ばかりなる手枕に かひなく立たむ名こそをしけれ
春の短い夜の夢ほどの添い寝のために、何のかいもない浮名が立ったとしたら、本当に口惜しいことです。
第8首目
心にもあらで憂き夜に長らへば 恋しかる…
心にもあらで憂き夜に長らへば 恋しかるべき夜半の月かな
心ならずも、つらいこの世に生きながらえていたならば、きっと恋しく思い出すにちがいない、この夜更けの月であるなあ。
第9首目
嵐吹く三室の山のもみぢ葉は 竜田の川の…
嵐吹く三室の山のもみぢ葉は 竜田の川の錦なりけり
嵐が吹く三室の山のもみじの葉は、竜田川の水面に落ちて、川を錦に織りなすのだ。
第10首目
寂しさに宿を立ち出でてながむれば いづ…
寂しさに宿を立ち出でてながむれば いづくも同じ秋の夕暮れ
さびしさに耐えかねて家を出てあたりを見渡すと、どこも同じ寂しい秋の夕暮れだ。
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