小倉百人一首 | 定家秀歌撰
第1首目
かくとだにえやは伊吹のさしも草 さしも…
かくとだにえやは伊吹のさしも草 さしも知らじな燃ゆる思ひを
「こんなに愛している」とさえ言えないのですから、伊吹山のさしも草ではありませんが、それほどとはご存じないでしょう。あなたへの燃える思いを。
第2首目
明けぬれば暮るるものとは知りながら な…
明けぬれば暮るるものとは知りながら なほ恨めしき朝ぼらけかな
夜が明けてしまうと、必ず暮れて、あなたに逢えるとは知ってはいるものの、それでも恨めしい夜明けだなあ。
第3首目
嘆きつつひとり寝る夜の明くる間は いか…
嘆きつつひとり寝る夜の明くる間は いかに久しきものとかは知る
あなたが来てくださらないことを嘆きながら一人で寝る夜が明けるまでの間は、どれほど長いものかご存知でしょうか。ご存知ないでしょう。
第4首目
忘れじのゆく末まではかたければ 今日を…
忘れじのゆく末まではかたければ 今日を限りの命ともがな
忘れはしまいとおっしゃるお言葉は、遠い未来まではあてにしがたいので、今日を限りの命であってほしいものです。
第5首目
滝の音は絶えて久しくなりぬれど 名こそ…
滝の音は絶えて久しくなりぬれど 名こそ流れてなほ聞こえけれ
滝の音は聞こえなくなってから長い年月がたったが、音の評判だけは世間に流れて、今もなお聞こえているなあ。
第6首目
あらざらむこの世のほかの思ひ出に いま…
あらざらむこの世のほかの思ひ出に いまひとたびの逢ふこともがな
私は、そう長くは生きていないでしょう。あの世へ行ったときの思い出のために、もう一度あなたに抱かれたいものです。
第7首目
めぐり逢ひて見しやそれとも分かぬ間に …
めぐり逢ひて見しやそれとも分かぬ間に 雲隠れにし夜半の月影
めぐりあって見たのがそれだったのか、それでなかったのかも判らない間に雲隠れしてしまった夜中の月のように、(幼なじみの)あなたはあっという間にいなくなってしまいましたね。
第8首目
有馬山猪名の篠原風吹けば いでそよ人を…
有馬山猪名の篠原風吹けば いでそよ人を忘れやはする
有馬山、猪名の笹原に風が吹くと、笹の葉がそよそよと音を立てる。さあ、そのことですよ。(あなたは、私が心変わりしたのではないかと気がかりだなどとおっしゃいますが、)私がどうしてあなたのことを忘れたりするものですか。
第9首目
やすらはで寝なましものをさ夜更けて か…
やすらはで寝なましものをさ夜更けて かたぶくまでの月を見しかな
いらっしゃらないことがはじめからわかっていたなら、ためらわずに寝てしまったでしょうに。今か今かとお待ちするうちに夜も更けてしまい、西に傾くまでの月を見たことですよ。
第10首目
大江山いく野の道の遠ければ まだふみも…
大江山いく野の道の遠ければ まだふみも見ず天の橋立
大江山を越えて生野を通って行く道は遠いので、まだ天の橋立に行ったこともなければ、母からの手紙も見ていません。
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