小倉百人一首 | 定家秀歌撰
第1首目
ほととぎす鳴きつる方をながむれば ただ…
ほととぎす鳴きつる方をながむれば ただ有明の月ぞ残れる
ほととぎすが鳴いている方をながめると、そこにはほととぎすの姿はなく、ただ有明の月が残っているだけである。
第2首目
思ひわびさても命はあるものを 憂きに堪…
思ひわびさても命はあるものを 憂きに堪へぬは涙なりけり
うまくいかない恋に思い悩んで、それでも命はあるものなのに、つらさに耐えないで落ちてくるのは涙であったなあ。
第3首目
世の中よ道こそなけれ思ひ入る 山の奥に…
世の中よ道こそなけれ思ひ入る 山の奥にも鹿ぞ鳴くなる
世の中なんて、どうにもならないものだ。(世俗を離れるべく)思いつめて入り込んだ山の奥にも、鹿が悲しげに鳴いているようだ。
第4首目
長らへばまたこのごろやしのばれむ 憂し…
長らへばまたこのごろやしのばれむ 憂しと見し世ぞ今は恋しき
この先、生きながらえるならば、つらいと感じているこの頃の世の中もなつかしく思い出されるのであろうか。つらいと思っていた昔のことも、今では恋しく思い出されるのだから。
第5首目
夜もすがらもの思ふころは明けやらぬ ね…
夜もすがらもの思ふころは明けやらぬ ねやのひまさへつれなかりけり
(愛しいあなたがいらっしゃらないせいで)一晩中、物思いにふけっているこの頃は、夜がなかなか明けようとしないで、(つれないのはあなただけではなく)寝室の隙間さえもがつれなくしているみたいです。
第6首目
嘆けとて月やはものを思はする かこちが…
嘆けとて月やはものを思はする かこちがほなるわが涙かな
嘆けといって月が私に物思いをさせるのだろうか。いや、そんなことはない。にもかかわらず、まるで月のせいであるかのように、こぼれ落ちる私の涙であるよ。
第7首目
村雨の露もまだ干ぬまきの葉に 霧立ちの…
村雨の露もまだ干ぬまきの葉に 霧立ちのぼる秋の夕暮
村雨の露もまだ乾いていない真木の葉に、霧が立ちのぼる秋の夕暮れであるよ。
第8首目
難波江の蘆のかりねのひとよゆゑ 身を尽…
難波江の蘆のかりねのひとよゆゑ 身を尽くしてや恋ひわたるべき
難波の入り江に生えている芦の刈り根の一節(ひとよ)ではないが、〔難波の遊女は〕たった一夜(ひとよ)の仮寝のために、澪標(みおつくし)のごとく、身を尽くして〔旅人を〕恋し続けなければならないのでしょうか。
第9首目
玉の緒よ絶えなば絶えねながらへば 忍ぶ…
玉の緒よ絶えなば絶えねながらへば 忍ぶることの弱りもぞする
我が命よ、絶えるならば、絶えてしまえ。このまま生きながらえれば、(恋心を表さないように)耐え忍んでいる意思が弱ると困るから。
第10首目
見せばやな雄島の海人の袖だにも 濡れに…
見せばやな雄島の海人の袖だにも 濡れにぞ濡れし色は変はらず
血の涙に濡れて変色した私の袖をお見せしたいものです。雄島の漁師の袖でさえ、濡れに濡れたにもかかわらず、色は変わらないのですよ。
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